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【中小小売業・飲食業の基本】現金の管理を厳格に行う

世の中、キャッシュレスが流行りですが、諸外国との比較では、いまだに我が国の現金信奉は根強く、特に小売業や飲食業では、現金取引の比重が高止まったままです。

クレジットカードや電子マネーだと支払手数料が必要となるため、お店の側としても、100%キャッシュレスへの移行には二の足を踏みがちです。

 

他方、現金取引の場合、付いて回るのが、「現金の管理」です。

現金はまさに「現物」なので、帳簿を「現物」に合わせなければなりません。

わかりやすく言えば、現金出納帳上での現金有り高と、お札・硬貨の合計が一致していなければ、現金出納帳上の現金有高を「現金過不足」の勘定科目にて修正する必要があります。

帳簿上の現金有り高と現物の現金が一致しているのに越したことはありませんが、実際の店舗でのお客様との現金のやり取りの中で、釣り銭の間違いや小銭の紛失などは、日常茶飯事で、珍しいことではありません。

 

 

ところが、この現金の管理が十分にできていない中小小売業・飲食業が散見されるのもまた事実です。

そもそも、現金商売なのに、決算書や試算表に「現金過不足」の勘定科目が存在しない中小小売業・飲食業は、現金の管理がちゃんとできていないことが疑われます。

また、社長が個人的に飲み食いに使った領収書を会社の経費で落とせず、またメインバンクから「貸付金は増やさないで下さいよ」と釘を刺されていると、存在しない現金が帳簿上積み上がっていくケースさえ想定されます。

在庫が適正計上されているか、とか、売掛金が不良化しているか否か、というのは金融機関の資産査定で重要視される点ですが、それにしたって、在庫や売掛金の計上は色々な観点があると言えばあるわけで、要は解釈の問題です。

しかしながら、現金は現物なので、存在しない現金が試算表や決算書に計上されていれば、これは言い訳の仕様がありません。

債権者から「粉飾決算じゃないですか!!」とご指摘を受けても、申し開きもできません。

 

このように、現金の管理はとても重要ですし、現金の管理にはどうしても人的を含めたコストがかかってしまいます。

特に、中小小売業・飲食業は、現金取引のウェイトが徐々に引き下げて、現金の管理にかかるコストを圧縮しつつ、決算書、試算表上での「現金」勘定の透明性をしっかり担保する必要があるのです。