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【中小企業の銀行対策】「預貸率」から金融機関を垣間見る

金融機関の役割は、一言で言えば「おカネの商社」です。

おカネが余っている会社や個人から「預金」という形でお金を仕入れて、おカネが必要な会社や個人に「融資」という形でお金を販売するというわけです。

「預金」という仕入には預金者に「預金利息」という名の原価をかけて、「融資」という販売には「受取利息」という収益を乗せて、「受取利息」と「預金利息」の差額を粗利益とするのが金融機関の古典的なビジネスモデルです。

繰り返すのですが、金融機関は「おカネの商社」なのです。

 

預金という名の仕入を、どの位貸出という名の販売に回せているかを図る指標が「預貸率」です。

計算式で表せば、

「預貸率」=「融資残高」÷「預金残高」×100(%)

となります。

預貸率が高ければ高いほど、自前でより多く運用できていることになります。

例えば、預金残高3兆円に対して、融資残高2兆4,000億円ならば、預貸率は80%となります。

一般的に、メガバンクは大企業の巨額の資金需要に対応していることから、預貸率が100%前後、場合によっては100%を超えることがあります。

その場合は、預金だけでは仕入が不足するので、不足分をコール市場といった金融市場から資金を調達します。

他方、地域金融機関、特に地方の場合、預貸率が低めと出るケースが散見されます。

一般の預金者からはしっかりと預金を集められるのに対して、地方では会社の絶対数も大企業も少ないため、資金需要が低調です。

そうなると、自前で運用しきれずに、安全資産である日本国債の他、比較的安全資産とされる外国債券や格付けの高い社債を購入したりすることで、運用益を確保します。

しかしながら、この低金利の世の中、自前で融資で稼げる、即ち預貸率が高い金融機関程収益性が高い(尤も、自前の融資が多ければ多い程、不良債権の処理等にかかる与信費用が嵩むリスクが高まるので、一概には言い難い)というのが一般的です。

さらに言えば、地域金融機関の場合、預貸率が高い程、その地方の営業エリア内に融資がより多く行き渡ることになります。

言い換えると、預貸率の高い地域金融機関ほど、「おカネの地産地消が進んでいる」ということができます。

地域金融機関は、預貸率の高低で、その地域密着度を図ることができるのです。

 

中小企業経営者の皆さん、御社のメインバンクの預貸率は高いですか? あるいは低くないですか?

次のメインバンク担当者との面談時には、事前にメインバンクの預貸率を調べておいて、預貸率について話題にできれば、「お! この社長、なかなかやるやん!」と思わせる絶好のトピックです。

中小企業経営者は、自社のメインバンクについて、より一層理解を深めていくことが必要なのです。