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【中小企業の銀行対策】「コロナ資金の優先弁済」について考える

新型コロナウイルスの感染拡大から、やがて2年が経過しようとしています。

感染者数が落ち着いている中、Ο株の市中感染が言われるようになって、いや〜な感じは否めません。

外出機械の減少や、飲食店の集客力低下の懸念がふっと出てくるところです。

 

コロナ禍で苦しむ中小企業・小規模事業者にあっては、既に、コロナ資金の調達というフェーズから出口戦略へと舵を切っているところです。

他方で、調達したコロナ資金の元本返済据置期間が多くの場合で1年間とか、2年間なので、そろそろ返済が始まってくるタイミングです。

コロナ前にリスケジュール(条件変更)をしていた場合でも、コロナ資金を調達した中小企業・小規模事業者は数多く存在します。

そこで、コロナ資金の返済と、コロナ前からの既往の借入金の返済をどうするのか、という悩ましい状況が始まりつつあります。

一般的に、条件変更していた既往借入金の返済は、プロナタ(返済可能金額を個別金融機関の借入残高で残高按分して返済すること)にて行われます。

コロナ資金の返済が始まる際に、コロナ資金は、既往の借入金とは別に、優先弁済するというのが一般的なイメージです。

例えば、既往借入金の返済可能額が月額350千円(年間返済額4,200千円)の場合で、政府系金融機関からコロナ資金10,000千円(期間15年、元本据置期間2年)の場合、25ヶ月目から月額59千円程度の返済が始まります。この場合、25ヶ月目の返済額は、「既往借入金返済額350千円」+「コロナ資金返済額59千円」=409千円となります。

経営者の側からすると、「おや、意外と返済増えるんやな」という感覚に陥ります。

他方、ケースバイケースなのですが、「コロナ資金の返済分もプロナタで合算して頂いて構わないですよ」という場合が出てきてます。

こうなると、既往借入金とコロナ資金の返済額は350千円のままで、経営者側かすると「こりゃ、ありがたい」となるわけです。

もちろん、返済額が増えないということは借入金の圧縮ペースが落ちるわけで、それは有利子負債圧縮という経営課題の解決には繋がりませんが、コロナ禍で事業継続を最優先しなければならないことを考えると、優先弁済ではなく、プロナタ合算はありがたいお話です。

 

優先弁済なのか、プロナタ合算なのか、どういう基準で決まるのかが分からないのですが、コロナ資金の今後の運用は、もしかすると、金融機関、信用保証協会、政府系金融機関でも手探なところがあるのかもしれません。

返済額を増額していくことは大切なことですが、収益状況を超えるような返済計画は、途中で返済額を減額しなければならなくなる可能性があり、途中での返済額減額は金融機関へ圧倒的にマイナスイメージを植えつけてしまいます。

中小企業経営者は、金融機関から協調体制を維持しながら、事業継続と有利子負債の圧縮をいかにバランス良く進めていくかを見極める必要があるのです。