弊所は、格別、どの業界に特化してコンサル業務をやっているわけではなく、反社とか(当たり前か!) 、経営改善に意欲的でないケースを除けば、基本的にはウェルカムで、全力で仕事をさせていくスタンスです。
ここ最近感じるのが、「街工場の底力」です。
ある街工場の社長と共に、メインバンクで月例定例報告にお邪魔した席上の社長のお言葉。
社長曰く、「確かに、このコロナはきつい。サプライチェーン切断によるモノ不足、原材料高、仕事はあるのにモノ不足が十分にモノ作りができない。なんとも歯痒い限り」
なるほど、ここは泣き脅しなわけですが、ここからが違います。
社長曰く、「我々、モノ作りの人間からすれば、今回のコロナ禍は、少なくともリーマンショックよりは緩い。あの時は、セーフティネットの融資はジャンジャン受けられたけれど、助成金のじょの時もなかった。コロナ禍は、業種によれば休業すれば協力金はもらえるし、我々だって、雇用調整助成金がもらえた。リーマンショックでは、ごちそうさんのカネがなかったんやで」
なるほど、こういう見方があるのかあ・・・と感心します。
こういう発想は、日々、元請けや親会社から「この単価でやれ」と言われ、「品質は絶対やぞ」と無茶振りの千本ノックを受けている街工場経営者ならではです。
街工場は、常日頃から鍛えられていて、街工場の耐性の凄さを実感させられます。
もちろん、リーマンショックとコロナ禍を同列で議論することがいいのか悪いのかわかりませんが、コロナの影響はモノ作りだけではなく、飲食、観光、サービス業全般、一部建設業と、ありとあらゆる業種、業態に及んでいるので、無利子・無保証料のコロナ資金、特例リスケといった金融面での施策だけはなく、協力金、家賃補償や雇用調整助成金など、ありとあらゆる政策手段が講じられました。
しかしながら、結果として、少なくない飲食店が店を閉め、学生やフリーターは食い扶持を失いました。
その一方で、街工場がジャンジャン潰れているなんて話は、このコロナ禍、あまり耳にしません。
街工場の底力を見せつけられた思いです。
飲食店、観光業、サービス業の経営者は、街工場の何銭単位のコスト意識と品質管理の徹底ぶりを見習って、お客様のハートを鷲掴みにするような心温まるサービスを提供していく必要があるのです。
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