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【中小企業の資金繰り対策】「利益は出ているのにおカネがない」理由を考える

「試算表の損益計算書上では、利益は出ている、けれども、資金繰りに余裕がない」そのような中小企業が散見されます。

利益が出ているのに、おカネがない状態に陥る理由はなんでしょうか?

考えています。

 

利益が出ているのに、おカネがない状況に陥る原因は、大きく2つあります。

1つ目は、「回収サイトと支払サイトのアンバランス」です。

多くの中小企業の場合、取引の力勘定、お客様の方が力が強い(例えば、お客様の会社が業界大手だったりする場合)ことが多いので、どうしても、回収サイトが長くなりがちです。

業界によっては、当たり前のように、「はい、いつもの通り、半金半手。手形サイトは120日でよろしく」というようなやりとりが、お客様の支払日に行われたりします。

一方で、支払に関しては、仕入先との力関係上、「買わせてもろてます」と弱い立場なので、「月末締め切り、翌月末、現金で。振り込みで頼みますよ。支払遅れたら、もう売りませんよ。あ、それから、振り込み手数料はそちら持ちで頼んます」と、冷たい言葉が刺さります。

このようなケースでは、受取手形を期日取立としていてはおカネが回らないので、泣く泣くメインバンクで割引いて貰わざるを得ません。

割引となると、実質的な支払利息でもある割引料がかかることで、金融費用もかかってしまいます。

原価管理をしっかりしていてもこのようなケースでは資金繰りに余力が生まれない状況が続きます。

 

2つ目は、過剰在庫です。

製造業の場合の原材料費、卸売・小売業の場合の売上原価を算出する際、

売上原価

=   期初棚卸高

  +)期中仕入高

  ー)期末棚卸高

の計算式で計算されます。

明らかに仕入過ぎの場合でも、期末時点(試算表ならば月末時点) で原材料、仕掛品並びに商品・製品が倉庫にドドッと残っていれば、売上原価は小さくなり、試算表上では利益が出ているように見えてしまいます。

しかしながら、在庫が滞留しているということは、即ちおカネが寝てしまっているわけなので、資金繰りはしんどくて、しんどくてたまりません。

こうなると、短期運転資金の借入金が高止まったり、長期運転資金も完済を待たずに折り返してたらずまいを借入金で埋めざるを得なくなってしまいます。

 

このように、資金繰りに余力がない状況を打開するのは、取引先との力関係の中での話なので、早々容易なことではありません。

しかしながら、資金繰り余力の改善のためには、まず、資金繰りに余力がない原因を明確化し、その上で、取引先を怒らせることなく、しかし粘り強く、取引条件の見直しを図っていくことが大切なのです。