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【中小企業経営者の心得】倒産件数の推移に一喜一憂しない

コロナ禍での年末、感染者数の低位安定から、確かに街中の人通りはコロナ前の年末を彷彿させるほどです。

信用調査会社東京商工リサーチの統計によれば、2021年11月度の倒産件数は、なんでも56年ぶりの低水準だとか。

なんだか、おかしな「凪」で、気味が悪い位です。

 

そうは言いながらも、倒産件数が少ないことを以て、景気が回復局面にあると断ずるのはちょっとばかり危険です。

むしろ、景気回復局面では、多くの企業が急速に売上が伸びる中、売上増による増加運転資金を十分に確保できてなければ、資金繰り倒産、黒字倒産が発生します。

特に、中小企業は、取引上の力関係が相対的に弱いため、売掛金回収サイトが買掛支払サイトよりも長くなってしまうため、資金繰りが立ち行かなくなって、突然死するケースが発生します。

 

今は、といえば、昨年来の無利子・無保証のコロナ資金がバサーっと中小企業にばら撒かれ、更には、特例リスケによって元本返済を猶予してもらうことで、資金繰りはなんとか回ります。

雇用調整助成金によって人員整理も最小限にとどめられていることも含めて、倒産件数が低水準にある原因は、単に、政策金融の効果です。

他方で、コロナ禍の市井の経済動向を歪めている要因はてんこ盛りです。

半導体、建設資材、住設機器のモノ不足、業務用食材やガソリン価格の上昇は、目先の中小企業にとっては、大きなアゲインストです。

Afterコロナ、Withコロナへの局面転換期を迎え、政策金融が徐々縮小されていくことを考慮すると、特に年末年始に息絶える中小企業が頻発しないとは限りません。

 

このように、総理や大臣は国会答弁で、「倒産件数は近年にはない低水準にある」と胸を張っていらっしゃいますが、当事者である中小企業経営者は、決して、倒産件数が低水準にあることだけで楽観視することは許されません。

コロナ禍の厳しい経済情勢下を生き抜くためにも、中小企業経営者は、倒産件数の推移に一喜一憂することなく、無駄を削ぎ落としつつ、サービス水準を高めてお客様からの満足度を弛まぬ努力で高めていく必要があるのです。