円安、新型コロナウイルスからの世界経済回復による需要増、東南アジアでのロックダウンの影響から、建築業界での「モノ不足」がいよいよ深刻になってきました。
半導体不足を反映した給湯器やエコキュートの不足だけではなく、東南アジアでのロックダウンを受けた合板等の建材不足に拍車がかかってきています。
水回りだけではなく、合板不足となればフローリングも貼れず、いよいよ建築現場が動かなくなる懸念が高まるばかりです。
住設機器・建材不足は、二つのデメリットを及ぼします。
1つ目は、モノ不足による価格上昇です。
住設機器や建材の価格上昇は、原価上昇に直結します。
常日頃、経営陣から「原価管理を徹底せよ」と命ぜられている現場監督には打つ手がなくなります。
高くても良いからとにかく調達優先ともなれば、想定工事粗利益を確保できません。
2つ目は、工期の遅れです。
新築住宅ならば施主さんは引き渡しを待ち焦がれています。
一時的に仮住まいとしてアパートを借りていれば、工期の遅れは想定外の家賃負担が発生して、施主さんとのトラブルの種にもなりかねません。
引き渡しが遅くなれば、最終の工事代金の入金見込みがずれ込みます。
最終工事代金を引当として短期資金を金融機関から調達していれば、手貸の期日になっても返済ができなくなります。
もちろん、施工業者に瑕疵があるわけではなく、不可抗力なので手貸は書き換えやむなしとなるのでしょうが、完済が遅れることで利払が増えてしまいます。
手貸の期日返済が難しい状況が見えたなら、なるべく早い段階で金融機関担当者にその旨お伝えし、書き換えなのか、期日流れにするのか、ご相談しておく必要があります。
いずれにしても、今般の建築業でのモノ不足は、原価アップと経費高をもたらすので、建築業に取っては百害あって一利ありません。
建材業者や住設卸には、なるべく早い段階での納期を確保してもらえるよう、粘り強く交渉する必要があるのです。
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