非上場の中小企業にとって、金融機関は資金調達の生命線です。
上場企業と違って、非上場企業が直接市場から資金調達するのは事実上困難です。
もちろん、今時、クラウドファンディングもありますが、調達できる金額はごく限定的で、売掛の回収期間が長かったり、支払が先行するような場合の経常運転資金をしっかり調達するとなれば、金融機関からの調達が王道です。
他方、金融機関は、昔と違って、融資先への様々な支援を行うようになっています。
各金融機関がこぞって取り組んでいる典型例が「ビジネスマッチング」です。
金融機関が開催する特定多数の企業が出展する展示会やビジネス商談会は、参加しごたえがあります。
また、個別に企業と企業をつなげてくれることも期待されます。
このようなビジネスマッチングはつなげてくれる企業双方にメリットがあることが多くなります。
従来からの仕入ルートよりもまとまって、かつ低価格で調達できるようになれば原価低減に直結します。
また、異業種の企業と引き合わせて頂くことによって、新たな販売チャネルができる可能性が高まります。
個別のマッチングの場合には、金融機関が紹介してくれるだけのことはあって、相手方もしっかりしていて、安心して取引を開始することができます。
このようなビジネスマッチングの場に誘って頂くためにも、特にメインバンクには、取り扱っている商品、製造している部品や製品の特性をよく知って頂く必要があります。
そのためには、担当者には積極的に工場見学して頂いたり、実店舗を見て頂く必要があります。
会社の特性や取り扱っている商品、製品等への理解を深めて頂くことで、金融機関に提出している経営改善計画書や月次の資金繰り表が、金融機関担当者にもよりリアルに実感してもらうことができます。
中小企業の金融機関活用術は決して融資を受けることだけではありません。
積極的な情報開示、現場開示によって、中小企業は金融機関との距離をどんどん縮めていく必要があるのです。
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