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【中小企業の銀行対策】メインバンクを定義する

「中小企業にとってのメインバンクってどういうもの?」

そんな質問が来ます。

 

普通に考えると、「借入金額が最も多い金融機関」となりますが、必ずしもそれが全てではありません。

メインバンクの定義は、3点に集約されます。

1つ目は、先程の「借入金額が最も多い金融機関」です。

これはわかりやすくて、借入残高A行150百万円、B行50百万円、C行70百万円であれば、誰がどう見てもA行がメインバンクというのが自然です。

 

2つ目は、「担保を最もたくさん差し出している」あるいは「信用保証協会の利用残高が最も多いこと」です。

平たく言えば、「保全」に関わることで、縁起でもありませんが、もしも経営が行き詰まり債務不履行となった時、どうやって金融機関が回収するか、という観点です。不動産や有価証券を入担するのはやはりメインバンクというのが自然です。

また、信用保証協会の利用についても同様で、例えば、ここ最近であればコロナ資金であったり、セーフティネットのような100%保証を非メインバンクが使ってしまえば、メインバンクから怒りを買ってしまいます。

「社長、なんで、うちに声かけてくれなかったんですか!!」

こういうことがあると、メインバンクとの関係にヒビが入るので、厳に謹まなければなりません。

 

3つ目は、「入出金が集中している」ことです。

手形小切手の振り出しはもちろんのこと、お客様からの振込入金が最も多くすることと、総合振込が給与振込を行うのはメインバンクでなければなりません。

その昔、ある地域で、経営統合によってできたメガバンクが良信を絞ったこと(平たく言えば融資を回収すること)によって、その肩代わりをそのエリアの地銀や第二地銀が組織的に行ったことがありました。

これによって、元々メインバンクであったメガバンクの借入が他行に移ったものの、お客様からの振込や総合振込などの入出金はメガバンクのままであったことから、肩代わりをした地銀、第二地銀の預金口座の動きは借入金の返済のみとなったことがありました。

メインバンクと非メガバンクがねじ曲がった状態となったわけです。

あるべき銀行取引の実現のためには、このような事態は避けなければなりません。

 

このように、メインバンクとの取引は借入金だけではなく、多岐に渡ります。

このため、中小企業にとっては、メインバンクとの日々のコミュニケーションが極めて重要なのです。