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【中小企業経営の掟】金融機関と喧嘩をしてはいけない

中小企業にとっては、金融機関はなくてはならない大切なビジネスパートナーです。

世の中の中小企業の99%は非上場なので、市場から直接資金調達はできません。

なので、経常的な運転資金や前向きな設備投資にかかる設備資金は金融機関から借入金(もしくは私募債)から調達するのが普通です。

もちろん、今時、クラウンドファンディングもありますが、まとまった資金をタイムリーに調達するのは金融機関から調達するのが王道です。

他方で、ビジネスパートナーとはいえ、やはり、ほとんどの中小企業にとっては金融機関は少し敷居が高いのも否めません。

決して、卑下する必要はありませんが、金融機関の担当者はサラリーマンだし、組織や上司の指示や命を受けているのですから、担当者と穏健に接するのが大人の中小企業経営者です。

 

そんな中でも、時折聞かれるのが、

A社長:「北出くん、今度のX銀行の新しい担当者、気に食わんかったから、この前ここでどやしつけたったんや!」

なんておっしゃるわけです。

そういう時は迷わず、

北出:「社長、担当者には責任ありません。彼をドヤしつけても社長に何のメリットもありませんから、そういう大人気ないこと、絶対やめてください」

こういうケースは少なからずあるように感じます。

繰り返しますが、担当者をドヤしつけても、建設的なことは何もありません。

 

そもそも、金融機関から融資を受けているということは「金銭の消費貸借契約」に基づいているということです。

金融機関は長年の歴史の中で、失敗から教訓を学んでいます。

初めて融資を受ける時に金融機関に差し入れた「銀行取引約定書」然り、長期で資金調達する際にサインする「金銭消費貸借契約書」然り、リーガルチェックはバッチリです。

もっといえば、金融機関は民法の債権総則に基づいて、融資取引を行っています。

法律をしっかり遵守している金融機関に喧嘩を売っても、まず、勝ち目はありません。

 

金融機関の担当者は、3年から長くて5年で交代していきます。

しかし、引継ぎはされていて、「ここは気をついておいた方がいいですよ」とブラック情報は確実に引き継がれます。

新しい担当者に交代したから一安心ではなく、新しい担当者はハナから「この社長には気つけやなあかん」と色眼鏡で見られていると踏んでおくのが自然です。

金融機関担当者に喧嘩を売るのではなく、自社の強みや業界特性に加えて、損益と財務状況を的確に伝えて、信頼関係を築いていくことが、中小企業経営者の責務なのです。