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【中小企業の掟】お客様からの回収条件を曖昧にしない

中小企業が安定的に存続していく最も重要なキーが、「お金が尽きないこと」です。

いくら試算表上で利益が出ていても、お金がなければ、会社は死んでしまいます。

俗に、黒字倒産とも言いますが、キャッシュが尽きれば、会社はおしまいです。

逆に、PLは赤字、BSが債務超過であっても、お金が続けば、会社は死にません。

小売業のように、日銭が入ってくる業種が倒産しにくい理由は、現金即日回収で、また貸倒のリスクもほとんどないためです。

 

しかし、製造業や卸売業、建設業など、ほとんどの我が国の商売は、「信用売り」です。

理想的には、一回の取引毎に売買契約書を締結できれば、また担保でも頂戴できれば良いのですが、ほとんどの取引は口頭で合意され、役務の提供が終了したら売上計上、請求書をお送りして、銀行振込してもらう、手形をもらうとかで、売掛金を回収します。

月末銀行の店頭で預金通帳、あるいはネットバンキングの履歴を見て、「今月も順調に振り込んでもろた。ありがたいことや」とにんまりしているのが、中小企業経営者や経理担当専務の社長夫人だったりします。

ベタな世界ですが、これがまだまだ中小企業、零細企業の現実です。

 

そこで、問題となるのが、「あれれ、X社からいつまで経っても振り込まれへん。困ったなあ」という場合です。

社長は、営業担当にX社との取引の経緯を聞きますが、要領を得ません。

少なくとも、大事なお客様であるX社との間で、何らかのトラブルが発生している懸念が拭えません。

 

現場の営業担当者は、売上目標を達成するため、商談を急ぎがちです。

多くの中小企業のお客様は自社よりも規模の大きなケースが多く、立場が弱いため、どうしても強気に出られません。

ついつい、取引条件の詳細を曖昧にしがちです。

中でも、「いつ、ゼニくれるん?」という最も大切な条件を十分に詰めずに、席を立ってしまいます。

 

中小企業の多くは、資金的に余裕綽々というわけではありません。

社長や経理は、月末の入金予定を見込んでいますが、「いつ、ゼニくれるん?」という最も大切な条件が曖昧にしてしまうと、見込んでいた入金がなければ、社長や経理は困ったことになります。

あてにしていた入金がなくて、手形が落ちず、不渡り出して倒産に追い込まれるという最悪のケースだって起こり得ます。

 

中小企業が安定的に存続するためには、営業担当者が嫌がる「回収条件の明確化」を会社全体で取り込む必要があるのです。