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【銀行員も楽じゃない】地域金融機関再編の流れ加速

ここ最近、地域金融機関の再編の流れが一気に加速している感が強まっています。かつての金融機関の再編は大手が中心でした。

バブル期に15行あった都市銀行が3メガバンクプラスりそなグループに再編されたことや、信託各行の経営統合が進みました。

しかしながら、地域金融機関の再編は、バブル崩壊後失われた20年(25年? 30年?)の中では金融機関の破綻に伴うものが大半でしたが、ここへ来て、前向きで、シナジーが見込まれるであろう経営統合が散見されるようになっています。

しかも、資本やメガバンクの系列を超越した「縁組」が起きており、「え〜、そういう組み合わせで経営統合するのか!」と驚かされる有様です。

経営統合といっても、持株会社の下に複数の銀行を吊り下げる持株会社方式が主流でした持株会社方式では、複数の銀行に持株会社まで加わって、むしろ、非効率では?と思われることもありました。

銀行の看板が複数存在したままではなかなかシナジーを創出するには至りません。

しかし、ここ最近流行りの「合併」となれば話は違ってきます。

複数の銀行ががっちゃんこと一つの銀行となり、営業エリアがカブる場合には店舗の統廃合が断行されます。

店舗の統廃合に際しては、通称「店舗内店舗」という方式を取る事で、顧客にとっては、支店名や口座番号が変わらないというメリットがありますが、実際の営業店では、複数の営業店が同居しているという体ではあるものの、壁で仕切られているわけではなく、実質的には統廃合と言えます。

 

大変なのは、ミドルです。

表向き、「リストラはしない」とされているものの、店舗内店舗の部店長や次席は兼務となることがほとんどですから、3店舗が1箇所に集約されれば、支店長3人の内、生き残るのは1人というのが自然です。

もちろん、やれ「調査役」だの、やれ「企画役」だの、一般にはよく判らない肩書を持った人たちが多数出てきて、名刺を一見しただけでは、「この人って、偉い人なのかどうか、微妙やなあ・・・」となってしまいます。

ミドルだけではなく、若手でも、ポストの削減は他人事ではありません。

「おれ、どうみたって支店長になれる見込みもないから、今のうちにさっさと転職してしまえ!」となりかねません。

 

更に問題なのが、「人事交流」です。

合併前は、少なからず「商売敵」だった相手方と「さあ、合併で未来に生き残る銀行が出来た。めでたい合併なのだから、皆で仲良く、切磋琢磨していこう」だなんて言われたところで、現場の人々は「は〜〜〜!!? なんであいつら一緒に仕事せなあかんのや!!」となって、白けるばかりです。

Aさんは旧Xで、Bさんは旧Yなんて色分けがされかねません。

人事制度も企業文化も違うわけですから、これはもう大変大変。

結局のところ、収益改善の一番の早道は人減らし、人件費圧縮なのかと暗澹たる気持ちになってしまいます。

また、ATMの機能強化とネットバンキングの急速な普及によって、リアルな営業店の役割は特にリテールバンキングでは低下する一方です。

他方、融資を受けている中小企業オーナー経営者にとっては、店舗が統合されて実の店舗が遠くなったりすれば、担当者との密度が低下しかねません。

オーナー経営者としては、切実な問題です。

 

コロナで痛んだ中小企業も大変だし、親方のオーナー経営者も頭の痛いことだらけですが、銀行員も大変です。

銀行員は楽な稼業じゃない時代になってしまいました。