2021年

1月

19日

【コロナ禍・飲食店編】2021年1月飲食店クライシス

型コロナウイルスが国内で蔓延するようになってから、早1年が経過しています。思えば、ここ1年間とは、わたくしどものお客様企業とコロナウイルスに明け暮れたと言っても過言ではありません。

得体の知れないウイルスの蔓延によって、「お客が来ない」「受注がキャンセルとなった」「手元のキャッシュがみるみる減っていく」「このままでは資金ショートしてしまう」。

飲食店を始めとして、経営者の声は深刻なものでした。

事業継続のため、「まず、日本公庫」、「メインバンクでセーフティネット4号」、「金額が大きいので、とりあえずプロパー、短期で」「商工中金独自資金を!」

幸い、わたくしどものお客様企業はコロナ禍以前からの金融機関との月次モニタリングの効果によって、必要な資金調達ができ、秋口以降、「Go To」の心理的な効果も相まって業況はコロナ禍前の水準まで徐々に回復しつつありました。

しかしながら、年明けの緊急事態宣言の再発令、それに伴う営業時間短縮と、あっという間にお客様企業の置かれた外部環境は暗転しました。

 

街中に目を転じると、「当面の間、休業させて頂きます」という張り紙があちこちで見られるようなりました。

首都圏や関西圏のように、「午後7時酒類ラストオーダー、午後8時閉店」となれば、仕込み、人件費等のコストをかけるよりは、もう「はなから休んどけ」で、「1日6万円貰っとこう」となるのがむしろ自然です。

そして、「緊急事態宣言がいつ開けるかわからんし」「これ以上、借金するのもしんどいし、どうせ後継者もおらんから」、「12月仕入れた買掛金の支払が1月末、でも、今月売上(=入金)がない。万事休す」ということで、永遠にお休みとなってしまう「自主廃業」が相当数発生することは避けられそうにありません。

 

一方で、一見、コロナ禍以前でさえ、飲食店は過当競争で、「レッドオーシャン」でしたが、もしかすると、ウィズコロナを見据えた近未来では、多くの競合店が廃業、倒産することによって、思わぬ「ブルーオーシャン」が待っていないとも限りません。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」にかけるという経営者がいらっしゃるのであれば、目の前の資金繰りだけに捉われるのではなく、しっかりと資金調達をして、生き残りを期する選択肢を排除すべきではありません。

今すぐ、直近の「試算表」に加えて、「これだけのニューマネーがあれば、向こう6ヶ月、1年間は回っていく」という「資金繰り表」を携えて、メインバンクに、公庫に、商工中金に駆け込んで下さい。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」が現実となりますことを心より願って止みません。

2016年

10月

04日

【中小企業経営者の銀行対策】好き嫌いではなく、損得で決断する

経営者の重要な役割の一つが、「決断すること」が挙げられます。

稟議制度の整備された企業であれば、大口の決済は社長や会長が最終決裁者となるケースが多いようです。

他方、多くの中小企業では稟議制度が未整備であり、社長等役員が社内外から意思決定を求められることが散見されます。

多くの中小企業経営者は、バランス感覚に優れていて、逆に言えば、バランス感覚に優れていなければ中小企業のトップとして務まらないというわけでもあります。

 

とはいえ、バランス感覚に優れた中小企業経営者といっても、時に感情的になることもなきにしもあらずです。

中小企業経営者も、人の子で、生身の人間なので、ムカッと来ることがあって当然です。

好き嫌いがあって当たり前です。

例えば、まるで自分自身の子供と同じ世代の若いメインバンクの担当者の言動が気に食わないことがあるかもしれません。

あるいは、会社の経営課題をズバッと言い当てて、耳の痛いことを直言するような銀行員がいるかもしれません。

しかし、いかにムカっときたり、耳の痛い直言を受けたとしても、決して感情的になってはいけません。

彼らを敵に回しても、何の得にもなりません。

相互の不信感が募るばかりで、負のスパイラルが深まるだけです。

 

ムカっときても、耳の痛い直言を受けても、中小企業経営者は感情を押し殺して、彼らの言動を受け入れ、耳の痛い直言をありがたく拝聴できるような度量が必要不可欠です。

耳の痛くなる直言をしてくれる銀行担当者は、貴重な存在です。

会社は利益を追求するのだから、感情的に許しがたいものであっても、会社の増益につながる行動を取ることが肝要です。

 

中小企業経営者の皆さん、「好き嫌い」はダメです。

「損得」で動きましょう。

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2014年

4月

11日

【中小企業の銀行対策】資金繰りを先読みする、収益を予想する

「社長、資金繰りを先読みしましょう!」

わたくしが折に触れて、お客様の中小企業経営者・小規模事業者事業主に申し上げていることです。

往々にして、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、売上高には強い関心を持っていますが、発生ベースの損益や、現預金ベースの資金繰りには関心が薄いケースが散見されます。

確かに、取引金融機関の渉外担当者は、決算報告書を手にすると、いち早く損益計算書(P/L)を上から順番に見ているのが通常です。

売上高は前期と比較して増えたのか減ったのか、売上総利益率は上昇したのか下落したのか、営業・経常・当期の各損益でしっかり利益が出ているか、そしてその原因を明らかにしようとします。

 

他方、中小企業や小規模事業者の経理担当者にとって、収益と同等もしくはより重視するのが「資金繰り」です。

「資金繰り」と一言で言ってしまうと難解なイメージがあるかもしれませんが、「資金繰り」の最も単純なモデルが、かつての鮮魚店や八百屋の店頭で天井から吊り下げられていた「ザル」です。

お客様から現金を受け取ったら「ザル」に現金を投入します。

仕入に行ってキャッシュオンで支払をしようとすると、「ザル」の現金を持ち出さなければなりません。

店主は、一日の営業が終了して「ザル」の中の現金を数えた結果、「ザル」の現金が増えていれば、「今日はいい一日だった」なのであり、逆に「ザル」に現金が減っていれば、「今日は残念、明日ガンバロウ」というわけです。

つまりは売上と利益が増加しても、「ザル」の中の現金が増えているとは限らないというのが、「資金繰り」の本質です。

「資金繰り」を軽視してしまうと、P/L上は利益が出ているにも関わらず、資金ショートしてしまって、「黒字倒産」という事態にも発展しかねません。

 

中小企業経営者・小規模事業者事業主は、足下の売上と仕入、経費、金融機関への返済とを資金繰り表で検証してみる必要があります。

そして、「資金繰り表」をきつめに作成して、数ヶ月先に必要となる売上高を確定させ、資金繰りと収益をセットで見極めていく必要があるのです。

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2014年

4月

04日

【建設業の銀行対策】今だからこそ、原価管理を厳格にやろう!

久々にブログを更新します。

 

アベノミクスがすっかり定着し、特に建設業界では、公共事業を中心に、工事案件は完全に増加基調となりました。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動におののく小売業とは、ずいぶん風景が違って見えてしまいます。

 

他方、工事案件の増加によって、建設技術者や現場の作業員の不足が深刻になっています。

特に、若年層の建設作業員が少なく、人手不足が常態化してしまっています。

建設技術者や現場作業員の不足は、即、完成工事原価内の「労務費の増加」に直結します。

また、大型物件の増加と、円安の影響から、様々な建設資材の価格も上昇しています。

場合によっては、思うように建設資材の調達ができないような品薄状態も散見されます。

完成工事原価内の「原材料費」も高止まる一方です。

 

このような状況下では、「受注は確保できている(つまり、完成工事高、売上高は増加する)」けれど、「儲からない(つまり、完成工事原価が上昇して、売上総利益率が低下する)」ことが往々に発生してしまいます。

 

「工事はあるけれど、利益が薄い」現状を前にすると、実行予算の立てる段階からより多くの見積もりを取って、工事原価を抑制しなければなりません。

加えて、策定した実行予算を着実に履行していくことが必要不可欠です。

 

確かに、現場の事情を考えると、必要以上にシビアに原価を切ることがベストであるとは必ずしも言えないのかもしれません。

しかしながら、工期を遵守することを優先して、労務費、外注費や原材料費が実行予算を大幅に超過して、結果的には「赤字の物件になってしまいました」では、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

 

より大型の物件を元請けとして受注するためには、取引金融機関から工事代金を事実上の担保とする「ヒモ付き融資」が必要不可欠ですが、取引金融機関の目線から見て、「実行予算管理がしっかりできていない建設業者」という烙印を押されてしまうと、「ヒモ付き融資」が受けられなくなり、折角の受注機会を逸してしまうことにもなりかねません。

 

少なからぬ建設業者が、実行予算管理が徹底できていないのが現実です。

逆に言えば、「この建設業者はしっかりと実行予算管理ができている」という好感を取引金融機関に持ってもらうことで、「ヒモ付き融資」をスムーズに受けることが出来、実行予算管理を厳格に行うことこそが、適正な工事粗利益を確保できることにも繋がります。

「実行予算管理の徹底」こそが、資金調達を容易にして、かつ会社を黒字体質にする唯一の王道です。

中小建設業の経営者の皆さん、受注状況表、資金繰り表、支払管理表をしっかり作成して、取引金融機関に「これでもかこれでもか」と提出していくことで、「ヒモ付き融資」をしっかりと受けられるようにしようではありませんか。

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2013年

6月

13日

【中小企業の銀行対策】 メインバンクの定義とは?

株式を上場したり、社債を公募するなどして一般投資家から資金を広く集める中小企業は、全体の中ではごくごく一握りに過ぎません。

大半の中小企業は、設備資金然り、増加運転資金然り、立替の短期運転資金然り、所要資金の調達先は、銀行等の金融機関に依存せざるを得ないのが現実です。
資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業にとって、最も大切な存在が「メインバンク」です。

間接金融が幅を効かせている我が国の中小企業では、金融機関から所要資金を調達する「間接金融」が未だ一般的です。

そんな大切な存在である「メインバンク」の定義とはどのようなものでしょうか?

 

「メインバンク」の条件として、咄嗟に思い浮かぶのが、「最も借入残高が多い金融機関」です。

確かに、債務者中小企業とメインバンクの信頼関係があるからこそ、最も融資を受けて来たというのはごくごく自然な流れで、「最も借入残高が多い金融機関」がメインバンクの定義の一つであることは間違いなさそうです。

他方で、見落としがちなメインバンクの条件が、「主たる決済場所」であることです。

お客様からの売掛金の入金が最も多い一方で、仕入先、外注先等への総合振込や従業員の給与振込を行って、手形や小切手の決済場所としていることも、大切な「メインバンク」の定義の一つです。

逆に借入残高が最も多いのにもかかわらず、手形・小切手の決済場所が別の金融機関というねじれが生じてしまうと、融資をしている金融機関担当者の目には資金の流れが把握しにくく、融資案件に取組にくくなってしまいかねません。


中小企業経営者は、融資残高が最も多い金融機関で、お客様からの入金と、総合振込、給与振込、手形・小切手の決済を集中させることによって、メインバンクとの信頼関係を深めることができることを心得ておく必要があるのです。

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2021年

1月

19日

【コロナ禍・飲食店編】2021年1月飲食店クライシス

型コロナウイルスが国内で蔓延するようになってから、早1年が経過しています。思えば、ここ1年間とは、わたくしどものお客様企業とコロナウイルスに明け暮れたと言っても過言ではありません。

得体の知れないウイルスの蔓延によって、「お客が来ない」「受注がキャンセルとなった」「手元のキャッシュがみるみる減っていく」「このままでは資金ショートしてしまう」。

飲食店を始めとして、経営者の声は深刻なものでした。

事業継続のため、「まず、日本公庫」、「メインバンクでセーフティネット4号」、「金額が大きいので、とりあえずプロパー、短期で」「商工中金独自資金を!」

幸い、わたくしどものお客様企業はコロナ禍以前からの金融機関との月次モニタリングの効果によって、必要な資金調達ができ、秋口以降、「Go To」の心理的な効果も相まって業況はコロナ禍前の水準まで徐々に回復しつつありました。

しかしながら、年明けの緊急事態宣言の再発令、それに伴う営業時間短縮と、あっという間にお客様企業の置かれた外部環境は暗転しました。

 

街中に目を転じると、「当面の間、休業させて頂きます」という張り紙があちこちで見られるようなりました。

首都圏や関西圏のように、「午後7時酒類ラストオーダー、午後8時閉店」となれば、仕込み、人件費等のコストをかけるよりは、もう「はなから休んどけ」で、「1日6万円貰っとこう」となるのがむしろ自然です。

そして、「緊急事態宣言がいつ開けるかわからんし」「これ以上、借金するのもしんどいし、どうせ後継者もおらんから」、「12月仕入れた買掛金の支払が1月末、でも、今月売上(=入金)がない。万事休す」ということで、永遠にお休みとなってしまう「自主廃業」が相当数発生することは避けられそうにありません。

 

一方で、一見、コロナ禍以前でさえ、飲食店は過当競争で、「レッドオーシャン」でしたが、もしかすると、ウィズコロナを見据えた近未来では、多くの競合店が廃業、倒産することによって、思わぬ「ブルーオーシャン」が待っていないとも限りません。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」にかけるという経営者がいらっしゃるのであれば、目の前の資金繰りだけに捉われるのではなく、しっかりと資金調達をして、生き残りを期する選択肢を排除すべきではありません。

今すぐ、直近の「試算表」に加えて、「これだけのニューマネーがあれば、向こう6ヶ月、1年間は回っていく」という「資金繰り表」を携えて、メインバンクに、公庫に、商工中金に駆け込んで下さい。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」が現実となりますことを心より願って止みません。

2016年

10月

04日

【中小企業経営者の銀行対策】好き嫌いではなく、損得で決断する

経営者の重要な役割の一つが、「決断すること」が挙げられます。

稟議制度の整備された企業であれば、大口の決済は社長や会長が最終決裁者となるケースが多いようです。

他方、多くの中小企業では稟議制度が未整備であり、社長等役員が社内外から意思決定を求められることが散見されます。

多くの中小企業経営者は、バランス感覚に優れていて、逆に言えば、バランス感覚に優れていなければ中小企業のトップとして務まらないというわけでもあります。

 

とはいえ、バランス感覚に優れた中小企業経営者といっても、時に感情的になることもなきにしもあらずです。

中小企業経営者も、人の子で、生身の人間なので、ムカッと来ることがあって当然です。

好き嫌いがあって当たり前です。

例えば、まるで自分自身の子供と同じ世代の若いメインバンクの担当者の言動が気に食わないことがあるかもしれません。

あるいは、会社の経営課題をズバッと言い当てて、耳の痛いことを直言するような銀行員がいるかもしれません。

しかし、いかにムカっときたり、耳の痛い直言を受けたとしても、決して感情的になってはいけません。

彼らを敵に回しても、何の得にもなりません。

相互の不信感が募るばかりで、負のスパイラルが深まるだけです。

 

ムカっときても、耳の痛い直言を受けても、中小企業経営者は感情を押し殺して、彼らの言動を受け入れ、耳の痛い直言をありがたく拝聴できるような度量が必要不可欠です。

耳の痛くなる直言をしてくれる銀行担当者は、貴重な存在です。

会社は利益を追求するのだから、感情的に許しがたいものであっても、会社の増益につながる行動を取ることが肝要です。

 

中小企業経営者の皆さん、「好き嫌い」はダメです。

「損得」で動きましょう。

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2014年

4月

11日

【中小企業の銀行対策】資金繰りを先読みする、収益を予想する

「社長、資金繰りを先読みしましょう!」

わたくしが折に触れて、お客様の中小企業経営者・小規模事業者事業主に申し上げていることです。

往々にして、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、売上高には強い関心を持っていますが、発生ベースの損益や、現預金ベースの資金繰りには関心が薄いケースが散見されます。

確かに、取引金融機関の渉外担当者は、決算報告書を手にすると、いち早く損益計算書(P/L)を上から順番に見ているのが通常です。

売上高は前期と比較して増えたのか減ったのか、売上総利益率は上昇したのか下落したのか、営業・経常・当期の各損益でしっかり利益が出ているか、そしてその原因を明らかにしようとします。

 

他方、中小企業や小規模事業者の経理担当者にとって、収益と同等もしくはより重視するのが「資金繰り」です。

「資金繰り」と一言で言ってしまうと難解なイメージがあるかもしれませんが、「資金繰り」の最も単純なモデルが、かつての鮮魚店や八百屋の店頭で天井から吊り下げられていた「ザル」です。

お客様から現金を受け取ったら「ザル」に現金を投入します。

仕入に行ってキャッシュオンで支払をしようとすると、「ザル」の現金を持ち出さなければなりません。

店主は、一日の営業が終了して「ザル」の中の現金を数えた結果、「ザル」の現金が増えていれば、「今日はいい一日だった」なのであり、逆に「ザル」に現金が減っていれば、「今日は残念、明日ガンバロウ」というわけです。

つまりは売上と利益が増加しても、「ザル」の中の現金が増えているとは限らないというのが、「資金繰り」の本質です。

「資金繰り」を軽視してしまうと、P/L上は利益が出ているにも関わらず、資金ショートしてしまって、「黒字倒産」という事態にも発展しかねません。

 

中小企業経営者・小規模事業者事業主は、足下の売上と仕入、経費、金融機関への返済とを資金繰り表で検証してみる必要があります。

そして、「資金繰り表」をきつめに作成して、数ヶ月先に必要となる売上高を確定させ、資金繰りと収益をセットで見極めていく必要があるのです。

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2014年

4月

04日

【建設業の銀行対策】今だからこそ、原価管理を厳格にやろう!

久々にブログを更新します。

 

アベノミクスがすっかり定着し、特に建設業界では、公共事業を中心に、工事案件は完全に増加基調となりました。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動におののく小売業とは、ずいぶん風景が違って見えてしまいます。

 

他方、工事案件の増加によって、建設技術者や現場の作業員の不足が深刻になっています。

特に、若年層の建設作業員が少なく、人手不足が常態化してしまっています。

建設技術者や現場作業員の不足は、即、完成工事原価内の「労務費の増加」に直結します。

また、大型物件の増加と、円安の影響から、様々な建設資材の価格も上昇しています。

場合によっては、思うように建設資材の調達ができないような品薄状態も散見されます。

完成工事原価内の「原材料費」も高止まる一方です。

 

このような状況下では、「受注は確保できている(つまり、完成工事高、売上高は増加する)」けれど、「儲からない(つまり、完成工事原価が上昇して、売上総利益率が低下する)」ことが往々に発生してしまいます。

 

「工事はあるけれど、利益が薄い」現状を前にすると、実行予算の立てる段階からより多くの見積もりを取って、工事原価を抑制しなければなりません。

加えて、策定した実行予算を着実に履行していくことが必要不可欠です。

 

確かに、現場の事情を考えると、必要以上にシビアに原価を切ることがベストであるとは必ずしも言えないのかもしれません。

しかしながら、工期を遵守することを優先して、労務費、外注費や原材料費が実行予算を大幅に超過して、結果的には「赤字の物件になってしまいました」では、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

 

より大型の物件を元請けとして受注するためには、取引金融機関から工事代金を事実上の担保とする「ヒモ付き融資」が必要不可欠ですが、取引金融機関の目線から見て、「実行予算管理がしっかりできていない建設業者」という烙印を押されてしまうと、「ヒモ付き融資」が受けられなくなり、折角の受注機会を逸してしまうことにもなりかねません。

 

少なからぬ建設業者が、実行予算管理が徹底できていないのが現実です。

逆に言えば、「この建設業者はしっかりと実行予算管理ができている」という好感を取引金融機関に持ってもらうことで、「ヒモ付き融資」をスムーズに受けることが出来、実行予算管理を厳格に行うことこそが、適正な工事粗利益を確保できることにも繋がります。

「実行予算管理の徹底」こそが、資金調達を容易にして、かつ会社を黒字体質にする唯一の王道です。

中小建設業の経営者の皆さん、受注状況表、資金繰り表、支払管理表をしっかり作成して、取引金融機関に「これでもかこれでもか」と提出していくことで、「ヒモ付き融資」をしっかりと受けられるようにしようではありませんか。

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2013年

6月

13日

【中小企業の銀行対策】 メインバンクの定義とは?

株式を上場したり、社債を公募するなどして一般投資家から資金を広く集める中小企業は、全体の中ではごくごく一握りに過ぎません。

大半の中小企業は、設備資金然り、増加運転資金然り、立替の短期運転資金然り、所要資金の調達先は、銀行等の金融機関に依存せざるを得ないのが現実です。
資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業にとって、最も大切な存在が「メインバンク」です。

間接金融が幅を効かせている我が国の中小企業では、金融機関から所要資金を調達する「間接金融」が未だ一般的です。

そんな大切な存在である「メインバンク」の定義とはどのようなものでしょうか?

 

「メインバンク」の条件として、咄嗟に思い浮かぶのが、「最も借入残高が多い金融機関」です。

確かに、債務者中小企業とメインバンクの信頼関係があるからこそ、最も融資を受けて来たというのはごくごく自然な流れで、「最も借入残高が多い金融機関」がメインバンクの定義の一つであることは間違いなさそうです。

他方で、見落としがちなメインバンクの条件が、「主たる決済場所」であることです。

お客様からの売掛金の入金が最も多い一方で、仕入先、外注先等への総合振込や従業員の給与振込を行って、手形や小切手の決済場所としていることも、大切な「メインバンク」の定義の一つです。

逆に借入残高が最も多いのにもかかわらず、手形・小切手の決済場所が別の金融機関というねじれが生じてしまうと、融資をしている金融機関担当者の目には資金の流れが把握しにくく、融資案件に取組にくくなってしまいかねません。


中小企業経営者は、融資残高が最も多い金融機関で、お客様からの入金と、総合振込、給与振込、手形・小切手の決済を集中させることによって、メインバンクとの信頼関係を深めることができることを心得ておく必要があるのです。

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1月

19日

【コロナ禍・飲食店編】2021年1月飲食店クライシス

型コロナウイルスが国内で蔓延するようになってから、早1年が経過しています。思えば、ここ1年間とは、わたくしどものお客様企業とコロナウイルスに明け暮れたと言っても過言ではありません。

得体の知れないウイルスの蔓延によって、「お客が来ない」「受注がキャンセルとなった」「手元のキャッシュがみるみる減っていく」「このままでは資金ショートしてしまう」。

飲食店を始めとして、経営者の声は深刻なものでした。

事業継続のため、「まず、日本公庫」、「メインバンクでセーフティネット4号」、「金額が大きいので、とりあえずプロパー、短期で」「商工中金独自資金を!」

幸い、わたくしどものお客様企業はコロナ禍以前からの金融機関との月次モニタリングの効果によって、必要な資金調達ができ、秋口以降、「Go To」の心理的な効果も相まって業況はコロナ禍前の水準まで徐々に回復しつつありました。

しかしながら、年明けの緊急事態宣言の再発令、それに伴う営業時間短縮と、あっという間にお客様企業の置かれた外部環境は暗転しました。

 

街中に目を転じると、「当面の間、休業させて頂きます」という張り紙があちこちで見られるようなりました。

首都圏や関西圏のように、「午後7時酒類ラストオーダー、午後8時閉店」となれば、仕込み、人件費等のコストをかけるよりは、もう「はなから休んどけ」で、「1日6万円貰っとこう」となるのがむしろ自然です。

そして、「緊急事態宣言がいつ開けるかわからんし」「これ以上、借金するのもしんどいし、どうせ後継者もおらんから」、「12月仕入れた買掛金の支払が1月末、でも、今月売上(=入金)がない。万事休す」ということで、永遠にお休みとなってしまう「自主廃業」が相当数発生することは避けられそうにありません。

 

一方で、一見、コロナ禍以前でさえ、飲食店は過当競争で、「レッドオーシャン」でしたが、もしかすると、ウィズコロナを見据えた近未来では、多くの競合店が廃業、倒産することによって、思わぬ「ブルーオーシャン」が待っていないとも限りません。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」にかけるという経営者がいらっしゃるのであれば、目の前の資金繰りだけに捉われるのではなく、しっかりと資金調達をして、生き残りを期する選択肢を排除すべきではありません。

今すぐ、直近の「試算表」に加えて、「これだけのニューマネーがあれば、向こう6ヶ月、1年間は回っていく」という「資金繰り表」を携えて、メインバンクに、公庫に、商工中金に駆け込んで下さい。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」が現実となりますことを心より願って止みません。

2016年

10月

04日

【中小企業経営者の銀行対策】好き嫌いではなく、損得で決断する

経営者の重要な役割の一つが、「決断すること」が挙げられます。

稟議制度の整備された企業であれば、大口の決済は社長や会長が最終決裁者となるケースが多いようです。

他方、多くの中小企業では稟議制度が未整備であり、社長等役員が社内外から意思決定を求められることが散見されます。

多くの中小企業経営者は、バランス感覚に優れていて、逆に言えば、バランス感覚に優れていなければ中小企業のトップとして務まらないというわけでもあります。

 

とはいえ、バランス感覚に優れた中小企業経営者といっても、時に感情的になることもなきにしもあらずです。

中小企業経営者も、人の子で、生身の人間なので、ムカッと来ることがあって当然です。

好き嫌いがあって当たり前です。

例えば、まるで自分自身の子供と同じ世代の若いメインバンクの担当者の言動が気に食わないことがあるかもしれません。

あるいは、会社の経営課題をズバッと言い当てて、耳の痛いことを直言するような銀行員がいるかもしれません。

しかし、いかにムカっときたり、耳の痛い直言を受けたとしても、決して感情的になってはいけません。

彼らを敵に回しても、何の得にもなりません。

相互の不信感が募るばかりで、負のスパイラルが深まるだけです。

 

ムカっときても、耳の痛い直言を受けても、中小企業経営者は感情を押し殺して、彼らの言動を受け入れ、耳の痛い直言をありがたく拝聴できるような度量が必要不可欠です。

耳の痛くなる直言をしてくれる銀行担当者は、貴重な存在です。

会社は利益を追求するのだから、感情的に許しがたいものであっても、会社の増益につながる行動を取ることが肝要です。

 

中小企業経営者の皆さん、「好き嫌い」はダメです。

「損得」で動きましょう。

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4月

11日

【中小企業の銀行対策】資金繰りを先読みする、収益を予想する

「社長、資金繰りを先読みしましょう!」

わたくしが折に触れて、お客様の中小企業経営者・小規模事業者事業主に申し上げていることです。

往々にして、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、売上高には強い関心を持っていますが、発生ベースの損益や、現預金ベースの資金繰りには関心が薄いケースが散見されます。

確かに、取引金融機関の渉外担当者は、決算報告書を手にすると、いち早く損益計算書(P/L)を上から順番に見ているのが通常です。

売上高は前期と比較して増えたのか減ったのか、売上総利益率は上昇したのか下落したのか、営業・経常・当期の各損益でしっかり利益が出ているか、そしてその原因を明らかにしようとします。

 

他方、中小企業や小規模事業者の経理担当者にとって、収益と同等もしくはより重視するのが「資金繰り」です。

「資金繰り」と一言で言ってしまうと難解なイメージがあるかもしれませんが、「資金繰り」の最も単純なモデルが、かつての鮮魚店や八百屋の店頭で天井から吊り下げられていた「ザル」です。

お客様から現金を受け取ったら「ザル」に現金を投入します。

仕入に行ってキャッシュオンで支払をしようとすると、「ザル」の現金を持ち出さなければなりません。

店主は、一日の営業が終了して「ザル」の中の現金を数えた結果、「ザル」の現金が増えていれば、「今日はいい一日だった」なのであり、逆に「ザル」に現金が減っていれば、「今日は残念、明日ガンバロウ」というわけです。

つまりは売上と利益が増加しても、「ザル」の中の現金が増えているとは限らないというのが、「資金繰り」の本質です。

「資金繰り」を軽視してしまうと、P/L上は利益が出ているにも関わらず、資金ショートしてしまって、「黒字倒産」という事態にも発展しかねません。

 

中小企業経営者・小規模事業者事業主は、足下の売上と仕入、経費、金融機関への返済とを資金繰り表で検証してみる必要があります。

そして、「資金繰り表」をきつめに作成して、数ヶ月先に必要となる売上高を確定させ、資金繰りと収益をセットで見極めていく必要があるのです。

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2014年

4月

04日

【建設業の銀行対策】今だからこそ、原価管理を厳格にやろう!

久々にブログを更新します。

 

アベノミクスがすっかり定着し、特に建設業界では、公共事業を中心に、工事案件は完全に増加基調となりました。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動におののく小売業とは、ずいぶん風景が違って見えてしまいます。

 

他方、工事案件の増加によって、建設技術者や現場の作業員の不足が深刻になっています。

特に、若年層の建設作業員が少なく、人手不足が常態化してしまっています。

建設技術者や現場作業員の不足は、即、完成工事原価内の「労務費の増加」に直結します。

また、大型物件の増加と、円安の影響から、様々な建設資材の価格も上昇しています。

場合によっては、思うように建設資材の調達ができないような品薄状態も散見されます。

完成工事原価内の「原材料費」も高止まる一方です。

 

このような状況下では、「受注は確保できている(つまり、完成工事高、売上高は増加する)」けれど、「儲からない(つまり、完成工事原価が上昇して、売上総利益率が低下する)」ことが往々に発生してしまいます。

 

「工事はあるけれど、利益が薄い」現状を前にすると、実行予算の立てる段階からより多くの見積もりを取って、工事原価を抑制しなければなりません。

加えて、策定した実行予算を着実に履行していくことが必要不可欠です。

 

確かに、現場の事情を考えると、必要以上にシビアに原価を切ることがベストであるとは必ずしも言えないのかもしれません。

しかしながら、工期を遵守することを優先して、労務費、外注費や原材料費が実行予算を大幅に超過して、結果的には「赤字の物件になってしまいました」では、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

 

より大型の物件を元請けとして受注するためには、取引金融機関から工事代金を事実上の担保とする「ヒモ付き融資」が必要不可欠ですが、取引金融機関の目線から見て、「実行予算管理がしっかりできていない建設業者」という烙印を押されてしまうと、「ヒモ付き融資」が受けられなくなり、折角の受注機会を逸してしまうことにもなりかねません。

 

少なからぬ建設業者が、実行予算管理が徹底できていないのが現実です。

逆に言えば、「この建設業者はしっかりと実行予算管理ができている」という好感を取引金融機関に持ってもらうことで、「ヒモ付き融資」をスムーズに受けることが出来、実行予算管理を厳格に行うことこそが、適正な工事粗利益を確保できることにも繋がります。

「実行予算管理の徹底」こそが、資金調達を容易にして、かつ会社を黒字体質にする唯一の王道です。

中小建設業の経営者の皆さん、受注状況表、資金繰り表、支払管理表をしっかり作成して、取引金融機関に「これでもかこれでもか」と提出していくことで、「ヒモ付き融資」をしっかりと受けられるようにしようではありませんか。

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2013年

6月

13日

【中小企業の銀行対策】 メインバンクの定義とは?

株式を上場したり、社債を公募するなどして一般投資家から資金を広く集める中小企業は、全体の中ではごくごく一握りに過ぎません。

大半の中小企業は、設備資金然り、増加運転資金然り、立替の短期運転資金然り、所要資金の調達先は、銀行等の金融機関に依存せざるを得ないのが現実です。
資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業にとって、最も大切な存在が「メインバンク」です。

間接金融が幅を効かせている我が国の中小企業では、金融機関から所要資金を調達する「間接金融」が未だ一般的です。

そんな大切な存在である「メインバンク」の定義とはどのようなものでしょうか?

 

「メインバンク」の条件として、咄嗟に思い浮かぶのが、「最も借入残高が多い金融機関」です。

確かに、債務者中小企業とメインバンクの信頼関係があるからこそ、最も融資を受けて来たというのはごくごく自然な流れで、「最も借入残高が多い金融機関」がメインバンクの定義の一つであることは間違いなさそうです。

他方で、見落としがちなメインバンクの条件が、「主たる決済場所」であることです。

お客様からの売掛金の入金が最も多い一方で、仕入先、外注先等への総合振込や従業員の給与振込を行って、手形や小切手の決済場所としていることも、大切な「メインバンク」の定義の一つです。

逆に借入残高が最も多いのにもかかわらず、手形・小切手の決済場所が別の金融機関というねじれが生じてしまうと、融資をしている金融機関担当者の目には資金の流れが把握しにくく、融資案件に取組にくくなってしまいかねません。


中小企業経営者は、融資残高が最も多い金融機関で、お客様からの入金と、総合振込、給与振込、手形・小切手の決済を集中させることによって、メインバンクとの信頼関係を深めることができることを心得ておく必要があるのです。

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2021年

1月

19日

【コロナ禍・飲食店編】2021年1月飲食店クライシス

型コロナウイルスが国内で蔓延するようになってから、早1年が経過しています。思えば、ここ1年間とは、わたくしどものお客様企業とコロナウイルスに明け暮れたと言っても過言ではありません。

得体の知れないウイルスの蔓延によって、「お客が来ない」「受注がキャンセルとなった」「手元のキャッシュがみるみる減っていく」「このままでは資金ショートしてしまう」。

飲食店を始めとして、経営者の声は深刻なものでした。

事業継続のため、「まず、日本公庫」、「メインバンクでセーフティネット4号」、「金額が大きいので、とりあえずプロパー、短期で」「商工中金独自資金を!」

幸い、わたくしどものお客様企業はコロナ禍以前からの金融機関との月次モニタリングの効果によって、必要な資金調達ができ、秋口以降、「Go To」の心理的な効果も相まって業況はコロナ禍前の水準まで徐々に回復しつつありました。

しかしながら、年明けの緊急事態宣言の再発令、それに伴う営業時間短縮と、あっという間にお客様企業の置かれた外部環境は暗転しました。

 

街中に目を転じると、「当面の間、休業させて頂きます」という張り紙があちこちで見られるようなりました。

首都圏や関西圏のように、「午後7時酒類ラストオーダー、午後8時閉店」となれば、仕込み、人件費等のコストをかけるよりは、もう「はなから休んどけ」で、「1日6万円貰っとこう」となるのがむしろ自然です。

そして、「緊急事態宣言がいつ開けるかわからんし」「これ以上、借金するのもしんどいし、どうせ後継者もおらんから」、「12月仕入れた買掛金の支払が1月末、でも、今月売上(=入金)がない。万事休す」ということで、永遠にお休みとなってしまう「自主廃業」が相当数発生することは避けられそうにありません。

 

一方で、一見、コロナ禍以前でさえ、飲食店は過当競争で、「レッドオーシャン」でしたが、もしかすると、ウィズコロナを見据えた近未来では、多くの競合店が廃業、倒産することによって、思わぬ「ブルーオーシャン」が待っていないとも限りません。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」にかけるという経営者がいらっしゃるのであれば、目の前の資金繰りだけに捉われるのではなく、しっかりと資金調達をして、生き残りを期する選択肢を排除すべきではありません。

今すぐ、直近の「試算表」に加えて、「これだけのニューマネーがあれば、向こう6ヶ月、1年間は回っていく」という「資金繰り表」を携えて、メインバンクに、公庫に、商工中金に駆け込んで下さい。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」が現実となりますことを心より願って止みません。

2016年

10月

04日

【中小企業経営者の銀行対策】好き嫌いではなく、損得で決断する

経営者の重要な役割の一つが、「決断すること」が挙げられます。

稟議制度の整備された企業であれば、大口の決済は社長や会長が最終決裁者となるケースが多いようです。

他方、多くの中小企業では稟議制度が未整備であり、社長等役員が社内外から意思決定を求められることが散見されます。

多くの中小企業経営者は、バランス感覚に優れていて、逆に言えば、バランス感覚に優れていなければ中小企業のトップとして務まらないというわけでもあります。

 

とはいえ、バランス感覚に優れた中小企業経営者といっても、時に感情的になることもなきにしもあらずです。

中小企業経営者も、人の子で、生身の人間なので、ムカッと来ることがあって当然です。

好き嫌いがあって当たり前です。

例えば、まるで自分自身の子供と同じ世代の若いメインバンクの担当者の言動が気に食わないことがあるかもしれません。

あるいは、会社の経営課題をズバッと言い当てて、耳の痛いことを直言するような銀行員がいるかもしれません。

しかし、いかにムカっときたり、耳の痛い直言を受けたとしても、決して感情的になってはいけません。

彼らを敵に回しても、何の得にもなりません。

相互の不信感が募るばかりで、負のスパイラルが深まるだけです。

 

ムカっときても、耳の痛い直言を受けても、中小企業経営者は感情を押し殺して、彼らの言動を受け入れ、耳の痛い直言をありがたく拝聴できるような度量が必要不可欠です。

耳の痛くなる直言をしてくれる銀行担当者は、貴重な存在です。

会社は利益を追求するのだから、感情的に許しがたいものであっても、会社の増益につながる行動を取ることが肝要です。

 

中小企業経営者の皆さん、「好き嫌い」はダメです。

「損得」で動きましょう。

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2014年

4月

11日

【中小企業の銀行対策】資金繰りを先読みする、収益を予想する

「社長、資金繰りを先読みしましょう!」

わたくしが折に触れて、お客様の中小企業経営者・小規模事業者事業主に申し上げていることです。

往々にして、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、売上高には強い関心を持っていますが、発生ベースの損益や、現預金ベースの資金繰りには関心が薄いケースが散見されます。

確かに、取引金融機関の渉外担当者は、決算報告書を手にすると、いち早く損益計算書(P/L)を上から順番に見ているのが通常です。

売上高は前期と比較して増えたのか減ったのか、売上総利益率は上昇したのか下落したのか、営業・経常・当期の各損益でしっかり利益が出ているか、そしてその原因を明らかにしようとします。

 

他方、中小企業や小規模事業者の経理担当者にとって、収益と同等もしくはより重視するのが「資金繰り」です。

「資金繰り」と一言で言ってしまうと難解なイメージがあるかもしれませんが、「資金繰り」の最も単純なモデルが、かつての鮮魚店や八百屋の店頭で天井から吊り下げられていた「ザル」です。

お客様から現金を受け取ったら「ザル」に現金を投入します。

仕入に行ってキャッシュオンで支払をしようとすると、「ザル」の現金を持ち出さなければなりません。

店主は、一日の営業が終了して「ザル」の中の現金を数えた結果、「ザル」の現金が増えていれば、「今日はいい一日だった」なのであり、逆に「ザル」に現金が減っていれば、「今日は残念、明日ガンバロウ」というわけです。

つまりは売上と利益が増加しても、「ザル」の中の現金が増えているとは限らないというのが、「資金繰り」の本質です。

「資金繰り」を軽視してしまうと、P/L上は利益が出ているにも関わらず、資金ショートしてしまって、「黒字倒産」という事態にも発展しかねません。

 

中小企業経営者・小規模事業者事業主は、足下の売上と仕入、経費、金融機関への返済とを資金繰り表で検証してみる必要があります。

そして、「資金繰り表」をきつめに作成して、数ヶ月先に必要となる売上高を確定させ、資金繰りと収益をセットで見極めていく必要があるのです。

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2014年

4月

04日

【建設業の銀行対策】今だからこそ、原価管理を厳格にやろう!

久々にブログを更新します。

 

アベノミクスがすっかり定着し、特に建設業界では、公共事業を中心に、工事案件は完全に増加基調となりました。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動におののく小売業とは、ずいぶん風景が違って見えてしまいます。

 

他方、工事案件の増加によって、建設技術者や現場の作業員の不足が深刻になっています。

特に、若年層の建設作業員が少なく、人手不足が常態化してしまっています。

建設技術者や現場作業員の不足は、即、完成工事原価内の「労務費の増加」に直結します。

また、大型物件の増加と、円安の影響から、様々な建設資材の価格も上昇しています。

場合によっては、思うように建設資材の調達ができないような品薄状態も散見されます。

完成工事原価内の「原材料費」も高止まる一方です。

 

このような状況下では、「受注は確保できている(つまり、完成工事高、売上高は増加する)」けれど、「儲からない(つまり、完成工事原価が上昇して、売上総利益率が低下する)」ことが往々に発生してしまいます。

 

「工事はあるけれど、利益が薄い」現状を前にすると、実行予算の立てる段階からより多くの見積もりを取って、工事原価を抑制しなければなりません。

加えて、策定した実行予算を着実に履行していくことが必要不可欠です。

 

確かに、現場の事情を考えると、必要以上にシビアに原価を切ることがベストであるとは必ずしも言えないのかもしれません。

しかしながら、工期を遵守することを優先して、労務費、外注費や原材料費が実行予算を大幅に超過して、結果的には「赤字の物件になってしまいました」では、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

 

より大型の物件を元請けとして受注するためには、取引金融機関から工事代金を事実上の担保とする「ヒモ付き融資」が必要不可欠ですが、取引金融機関の目線から見て、「実行予算管理がしっかりできていない建設業者」という烙印を押されてしまうと、「ヒモ付き融資」が受けられなくなり、折角の受注機会を逸してしまうことにもなりかねません。

 

少なからぬ建設業者が、実行予算管理が徹底できていないのが現実です。

逆に言えば、「この建設業者はしっかりと実行予算管理ができている」という好感を取引金融機関に持ってもらうことで、「ヒモ付き融資」をスムーズに受けることが出来、実行予算管理を厳格に行うことこそが、適正な工事粗利益を確保できることにも繋がります。

「実行予算管理の徹底」こそが、資金調達を容易にして、かつ会社を黒字体質にする唯一の王道です。

中小建設業の経営者の皆さん、受注状況表、資金繰り表、支払管理表をしっかり作成して、取引金融機関に「これでもかこれでもか」と提出していくことで、「ヒモ付き融資」をしっかりと受けられるようにしようではありませんか。

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2013年

6月

13日

【中小企業の銀行対策】 メインバンクの定義とは?

株式を上場したり、社債を公募するなどして一般投資家から資金を広く集める中小企業は、全体の中ではごくごく一握りに過ぎません。

大半の中小企業は、設備資金然り、増加運転資金然り、立替の短期運転資金然り、所要資金の調達先は、銀行等の金融機関に依存せざるを得ないのが現実です。
資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業にとって、最も大切な存在が「メインバンク」です。

間接金融が幅を効かせている我が国の中小企業では、金融機関から所要資金を調達する「間接金融」が未だ一般的です。

そんな大切な存在である「メインバンク」の定義とはどのようなものでしょうか?

 

「メインバンク」の条件として、咄嗟に思い浮かぶのが、「最も借入残高が多い金融機関」です。

確かに、債務者中小企業とメインバンクの信頼関係があるからこそ、最も融資を受けて来たというのはごくごく自然な流れで、「最も借入残高が多い金融機関」がメインバンクの定義の一つであることは間違いなさそうです。

他方で、見落としがちなメインバンクの条件が、「主たる決済場所」であることです。

お客様からの売掛金の入金が最も多い一方で、仕入先、外注先等への総合振込や従業員の給与振込を行って、手形や小切手の決済場所としていることも、大切な「メインバンク」の定義の一つです。

逆に借入残高が最も多いのにもかかわらず、手形・小切手の決済場所が別の金融機関というねじれが生じてしまうと、融資をしている金融機関担当者の目には資金の流れが把握しにくく、融資案件に取組にくくなってしまいかねません。


中小企業経営者は、融資残高が最も多い金融機関で、お客様からの入金と、総合振込、給与振込、手形・小切手の決済を集中させることによって、メインバンクとの信頼関係を深めることができることを心得ておく必要があるのです。

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1月

19日

【コロナ禍・飲食店編】2021年1月飲食店クライシス

型コロナウイルスが国内で蔓延するようになってから、早1年が経過しています。思えば、ここ1年間とは、わたくしどものお客様企業とコロナウイルスに明け暮れたと言っても過言ではありません。

得体の知れないウイルスの蔓延によって、「お客が来ない」「受注がキャンセルとなった」「手元のキャッシュがみるみる減っていく」「このままでは資金ショートしてしまう」。

飲食店を始めとして、経営者の声は深刻なものでした。

事業継続のため、「まず、日本公庫」、「メインバンクでセーフティネット4号」、「金額が大きいので、とりあえずプロパー、短期で」「商工中金独自資金を!」

幸い、わたくしどものお客様企業はコロナ禍以前からの金融機関との月次モニタリングの効果によって、必要な資金調達ができ、秋口以降、「Go To」の心理的な効果も相まって業況はコロナ禍前の水準まで徐々に回復しつつありました。

しかしながら、年明けの緊急事態宣言の再発令、それに伴う営業時間短縮と、あっという間にお客様企業の置かれた外部環境は暗転しました。

 

街中に目を転じると、「当面の間、休業させて頂きます」という張り紙があちこちで見られるようなりました。

首都圏や関西圏のように、「午後7時酒類ラストオーダー、午後8時閉店」となれば、仕込み、人件費等のコストをかけるよりは、もう「はなから休んどけ」で、「1日6万円貰っとこう」となるのがむしろ自然です。

そして、「緊急事態宣言がいつ開けるかわからんし」「これ以上、借金するのもしんどいし、どうせ後継者もおらんから」、「12月仕入れた買掛金の支払が1月末、でも、今月売上(=入金)がない。万事休す」ということで、永遠にお休みとなってしまう「自主廃業」が相当数発生することは避けられそうにありません。

 

一方で、一見、コロナ禍以前でさえ、飲食店は過当競争で、「レッドオーシャン」でしたが、もしかすると、ウィズコロナを見据えた近未来では、多くの競合店が廃業、倒産することによって、思わぬ「ブルーオーシャン」が待っていないとも限りません。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」にかけるという経営者がいらっしゃるのであれば、目の前の資金繰りだけに捉われるのではなく、しっかりと資金調達をして、生き残りを期する選択肢を排除すべきではありません。

今すぐ、直近の「試算表」に加えて、「これだけのニューマネーがあれば、向こう6ヶ月、1年間は回っていく」という「資金繰り表」を携えて、メインバンクに、公庫に、商工中金に駆け込んで下さい。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」が現実となりますことを心より願って止みません。

2016年

10月

04日

【中小企業経営者の銀行対策】好き嫌いではなく、損得で決断する

経営者の重要な役割の一つが、「決断すること」が挙げられます。

稟議制度の整備された企業であれば、大口の決済は社長や会長が最終決裁者となるケースが多いようです。

他方、多くの中小企業では稟議制度が未整備であり、社長等役員が社内外から意思決定を求められることが散見されます。

多くの中小企業経営者は、バランス感覚に優れていて、逆に言えば、バランス感覚に優れていなければ中小企業のトップとして務まらないというわけでもあります。

 

とはいえ、バランス感覚に優れた中小企業経営者といっても、時に感情的になることもなきにしもあらずです。

中小企業経営者も、人の子で、生身の人間なので、ムカッと来ることがあって当然です。

好き嫌いがあって当たり前です。

例えば、まるで自分自身の子供と同じ世代の若いメインバンクの担当者の言動が気に食わないことがあるかもしれません。

あるいは、会社の経営課題をズバッと言い当てて、耳の痛いことを直言するような銀行員がいるかもしれません。

しかし、いかにムカっときたり、耳の痛い直言を受けたとしても、決して感情的になってはいけません。

彼らを敵に回しても、何の得にもなりません。

相互の不信感が募るばかりで、負のスパイラルが深まるだけです。

 

ムカっときても、耳の痛い直言を受けても、中小企業経営者は感情を押し殺して、彼らの言動を受け入れ、耳の痛い直言をありがたく拝聴できるような度量が必要不可欠です。

耳の痛くなる直言をしてくれる銀行担当者は、貴重な存在です。

会社は利益を追求するのだから、感情的に許しがたいものであっても、会社の増益につながる行動を取ることが肝要です。

 

中小企業経営者の皆さん、「好き嫌い」はダメです。

「損得」で動きましょう。

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2014年

4月

11日

【中小企業の銀行対策】資金繰りを先読みする、収益を予想する

「社長、資金繰りを先読みしましょう!」

わたくしが折に触れて、お客様の中小企業経営者・小規模事業者事業主に申し上げていることです。

往々にして、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、売上高には強い関心を持っていますが、発生ベースの損益や、現預金ベースの資金繰りには関心が薄いケースが散見されます。

確かに、取引金融機関の渉外担当者は、決算報告書を手にすると、いち早く損益計算書(P/L)を上から順番に見ているのが通常です。

売上高は前期と比較して増えたのか減ったのか、売上総利益率は上昇したのか下落したのか、営業・経常・当期の各損益でしっかり利益が出ているか、そしてその原因を明らかにしようとします。

 

他方、中小企業や小規模事業者の経理担当者にとって、収益と同等もしくはより重視するのが「資金繰り」です。

「資金繰り」と一言で言ってしまうと難解なイメージがあるかもしれませんが、「資金繰り」の最も単純なモデルが、かつての鮮魚店や八百屋の店頭で天井から吊り下げられていた「ザル」です。

お客様から現金を受け取ったら「ザル」に現金を投入します。

仕入に行ってキャッシュオンで支払をしようとすると、「ザル」の現金を持ち出さなければなりません。

店主は、一日の営業が終了して「ザル」の中の現金を数えた結果、「ザル」の現金が増えていれば、「今日はいい一日だった」なのであり、逆に「ザル」に現金が減っていれば、「今日は残念、明日ガンバロウ」というわけです。

つまりは売上と利益が増加しても、「ザル」の中の現金が増えているとは限らないというのが、「資金繰り」の本質です。

「資金繰り」を軽視してしまうと、P/L上は利益が出ているにも関わらず、資金ショートしてしまって、「黒字倒産」という事態にも発展しかねません。

 

中小企業経営者・小規模事業者事業主は、足下の売上と仕入、経費、金融機関への返済とを資金繰り表で検証してみる必要があります。

そして、「資金繰り表」をきつめに作成して、数ヶ月先に必要となる売上高を確定させ、資金繰りと収益をセットで見極めていく必要があるのです。

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4月

04日

【建設業の銀行対策】今だからこそ、原価管理を厳格にやろう!

久々にブログを更新します。

 

アベノミクスがすっかり定着し、特に建設業界では、公共事業を中心に、工事案件は完全に増加基調となりました。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動におののく小売業とは、ずいぶん風景が違って見えてしまいます。

 

他方、工事案件の増加によって、建設技術者や現場の作業員の不足が深刻になっています。

特に、若年層の建設作業員が少なく、人手不足が常態化してしまっています。

建設技術者や現場作業員の不足は、即、完成工事原価内の「労務費の増加」に直結します。

また、大型物件の増加と、円安の影響から、様々な建設資材の価格も上昇しています。

場合によっては、思うように建設資材の調達ができないような品薄状態も散見されます。

完成工事原価内の「原材料費」も高止まる一方です。

 

このような状況下では、「受注は確保できている(つまり、完成工事高、売上高は増加する)」けれど、「儲からない(つまり、完成工事原価が上昇して、売上総利益率が低下する)」ことが往々に発生してしまいます。

 

「工事はあるけれど、利益が薄い」現状を前にすると、実行予算の立てる段階からより多くの見積もりを取って、工事原価を抑制しなければなりません。

加えて、策定した実行予算を着実に履行していくことが必要不可欠です。

 

確かに、現場の事情を考えると、必要以上にシビアに原価を切ることがベストであるとは必ずしも言えないのかもしれません。

しかしながら、工期を遵守することを優先して、労務費、外注費や原材料費が実行予算を大幅に超過して、結果的には「赤字の物件になってしまいました」では、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

 

より大型の物件を元請けとして受注するためには、取引金融機関から工事代金を事実上の担保とする「ヒモ付き融資」が必要不可欠ですが、取引金融機関の目線から見て、「実行予算管理がしっかりできていない建設業者」という烙印を押されてしまうと、「ヒモ付き融資」が受けられなくなり、折角の受注機会を逸してしまうことにもなりかねません。

 

少なからぬ建設業者が、実行予算管理が徹底できていないのが現実です。

逆に言えば、「この建設業者はしっかりと実行予算管理ができている」という好感を取引金融機関に持ってもらうことで、「ヒモ付き融資」をスムーズに受けることが出来、実行予算管理を厳格に行うことこそが、適正な工事粗利益を確保できることにも繋がります。

「実行予算管理の徹底」こそが、資金調達を容易にして、かつ会社を黒字体質にする唯一の王道です。

中小建設業の経営者の皆さん、受注状況表、資金繰り表、支払管理表をしっかり作成して、取引金融機関に「これでもかこれでもか」と提出していくことで、「ヒモ付き融資」をしっかりと受けられるようにしようではありませんか。

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6月

13日

【中小企業の銀行対策】 メインバンクの定義とは?

株式を上場したり、社債を公募するなどして一般投資家から資金を広く集める中小企業は、全体の中ではごくごく一握りに過ぎません。

大半の中小企業は、設備資金然り、増加運転資金然り、立替の短期運転資金然り、所要資金の調達先は、銀行等の金融機関に依存せざるを得ないのが現実です。
資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業にとって、最も大切な存在が「メインバンク」です。

間接金融が幅を効かせている我が国の中小企業では、金融機関から所要資金を調達する「間接金融」が未だ一般的です。

そんな大切な存在である「メインバンク」の定義とはどのようなものでしょうか?

 

「メインバンク」の条件として、咄嗟に思い浮かぶのが、「最も借入残高が多い金融機関」です。

確かに、債務者中小企業とメインバンクの信頼関係があるからこそ、最も融資を受けて来たというのはごくごく自然な流れで、「最も借入残高が多い金融機関」がメインバンクの定義の一つであることは間違いなさそうです。

他方で、見落としがちなメインバンクの条件が、「主たる決済場所」であることです。

お客様からの売掛金の入金が最も多い一方で、仕入先、外注先等への総合振込や従業員の給与振込を行って、手形や小切手の決済場所としていることも、大切な「メインバンク」の定義の一つです。

逆に借入残高が最も多いのにもかかわらず、手形・小切手の決済場所が別の金融機関というねじれが生じてしまうと、融資をしている金融機関担当者の目には資金の流れが把握しにくく、融資案件に取組にくくなってしまいかねません。


中小企業経営者は、融資残高が最も多い金融機関で、お客様からの入金と、総合振込、給与振込、手形・小切手の決済を集中させることによって、メインバンクとの信頼関係を深めることができることを心得ておく必要があるのです。

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1月

19日

【コロナ禍・飲食店編】2021年1月飲食店クライシス

型コロナウイルスが国内で蔓延するようになってから、早1年が経過しています。思えば、ここ1年間とは、わたくしどものお客様企業とコロナウイルスに明け暮れたと言っても過言ではありません。

得体の知れないウイルスの蔓延によって、「お客が来ない」「受注がキャンセルとなった」「手元のキャッシュがみるみる減っていく」「このままでは資金ショートしてしまう」。

飲食店を始めとして、経営者の声は深刻なものでした。

事業継続のため、「まず、日本公庫」、「メインバンクでセーフティネット4号」、「金額が大きいので、とりあえずプロパー、短期で」「商工中金独自資金を!」

幸い、わたくしどものお客様企業はコロナ禍以前からの金融機関との月次モニタリングの効果によって、必要な資金調達ができ、秋口以降、「Go To」の心理的な効果も相まって業況はコロナ禍前の水準まで徐々に回復しつつありました。

しかしながら、年明けの緊急事態宣言の再発令、それに伴う営業時間短縮と、あっという間にお客様企業の置かれた外部環境は暗転しました。

 

街中に目を転じると、「当面の間、休業させて頂きます」という張り紙があちこちで見られるようなりました。

首都圏や関西圏のように、「午後7時酒類ラストオーダー、午後8時閉店」となれば、仕込み、人件費等のコストをかけるよりは、もう「はなから休んどけ」で、「1日6万円貰っとこう」となるのがむしろ自然です。

そして、「緊急事態宣言がいつ開けるかわからんし」「これ以上、借金するのもしんどいし、どうせ後継者もおらんから」、「12月仕入れた買掛金の支払が1月末、でも、今月売上(=入金)がない。万事休す」ということで、永遠にお休みとなってしまう「自主廃業」が相当数発生することは避けられそうにありません。

 

一方で、一見、コロナ禍以前でさえ、飲食店は過当競争で、「レッドオーシャン」でしたが、もしかすると、ウィズコロナを見据えた近未来では、多くの競合店が廃業、倒産することによって、思わぬ「ブルーオーシャン」が待っていないとも限りません。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」にかけるという経営者がいらっしゃるのであれば、目の前の資金繰りだけに捉われるのではなく、しっかりと資金調達をして、生き残りを期する選択肢を排除すべきではありません。

今すぐ、直近の「試算表」に加えて、「これだけのニューマネーがあれば、向こう6ヶ月、1年間は回っていく」という「資金繰り表」を携えて、メインバンクに、公庫に、商工中金に駆け込んで下さい。

 

「まだ見ぬブルーオーシャン」が現実となりますことを心より願って止みません。

2016年

10月

04日

【中小企業経営者の銀行対策】好き嫌いではなく、損得で決断する

経営者の重要な役割の一つが、「決断すること」が挙げられます。

稟議制度の整備された企業であれば、大口の決済は社長や会長が最終決裁者となるケースが多いようです。

他方、多くの中小企業では稟議制度が未整備であり、社長等役員が社内外から意思決定を求められることが散見されます。

多くの中小企業経営者は、バランス感覚に優れていて、逆に言えば、バランス感覚に優れていなければ中小企業のトップとして務まらないというわけでもあります。

 

とはいえ、バランス感覚に優れた中小企業経営者といっても、時に感情的になることもなきにしもあらずです。

中小企業経営者も、人の子で、生身の人間なので、ムカッと来ることがあって当然です。

好き嫌いがあって当たり前です。

例えば、まるで自分自身の子供と同じ世代の若いメインバンクの担当者の言動が気に食わないことがあるかもしれません。

あるいは、会社の経営課題をズバッと言い当てて、耳の痛いことを直言するような銀行員がいるかもしれません。

しかし、いかにムカっときたり、耳の痛い直言を受けたとしても、決して感情的になってはいけません。

彼らを敵に回しても、何の得にもなりません。

相互の不信感が募るばかりで、負のスパイラルが深まるだけです。

 

ムカっときても、耳の痛い直言を受けても、中小企業経営者は感情を押し殺して、彼らの言動を受け入れ、耳の痛い直言をありがたく拝聴できるような度量が必要不可欠です。

耳の痛くなる直言をしてくれる銀行担当者は、貴重な存在です。

会社は利益を追求するのだから、感情的に許しがたいものであっても、会社の増益につながる行動を取ることが肝要です。

 

中小企業経営者の皆さん、「好き嫌い」はダメです。

「損得」で動きましょう。

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4月

11日

【中小企業の銀行対策】資金繰りを先読みする、収益を予想する

「社長、資金繰りを先読みしましょう!」

わたくしが折に触れて、お客様の中小企業経営者・小規模事業者事業主に申し上げていることです。

往々にして、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、売上高には強い関心を持っていますが、発生ベースの損益や、現預金ベースの資金繰りには関心が薄いケースが散見されます。

確かに、取引金融機関の渉外担当者は、決算報告書を手にすると、いち早く損益計算書(P/L)を上から順番に見ているのが通常です。

売上高は前期と比較して増えたのか減ったのか、売上総利益率は上昇したのか下落したのか、営業・経常・当期の各損益でしっかり利益が出ているか、そしてその原因を明らかにしようとします。

 

他方、中小企業や小規模事業者の経理担当者にとって、収益と同等もしくはより重視するのが「資金繰り」です。

「資金繰り」と一言で言ってしまうと難解なイメージがあるかもしれませんが、「資金繰り」の最も単純なモデルが、かつての鮮魚店や八百屋の店頭で天井から吊り下げられていた「ザル」です。

お客様から現金を受け取ったら「ザル」に現金を投入します。

仕入に行ってキャッシュオンで支払をしようとすると、「ザル」の現金を持ち出さなければなりません。

店主は、一日の営業が終了して「ザル」の中の現金を数えた結果、「ザル」の現金が増えていれば、「今日はいい一日だった」なのであり、逆に「ザル」に現金が減っていれば、「今日は残念、明日ガンバロウ」というわけです。

つまりは売上と利益が増加しても、「ザル」の中の現金が増えているとは限らないというのが、「資金繰り」の本質です。

「資金繰り」を軽視してしまうと、P/L上は利益が出ているにも関わらず、資金ショートしてしまって、「黒字倒産」という事態にも発展しかねません。

 

中小企業経営者・小規模事業者事業主は、足下の売上と仕入、経費、金融機関への返済とを資金繰り表で検証してみる必要があります。

そして、「資金繰り表」をきつめに作成して、数ヶ月先に必要となる売上高を確定させ、資金繰りと収益をセットで見極めていく必要があるのです。

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2014年

4月

04日

【建設業の銀行対策】今だからこそ、原価管理を厳格にやろう!

久々にブログを更新します。

 

アベノミクスがすっかり定着し、特に建設業界では、公共事業を中心に、工事案件は完全に増加基調となりました。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動におののく小売業とは、ずいぶん風景が違って見えてしまいます。

 

他方、工事案件の増加によって、建設技術者や現場の作業員の不足が深刻になっています。

特に、若年層の建設作業員が少なく、人手不足が常態化してしまっています。

建設技術者や現場作業員の不足は、即、完成工事原価内の「労務費の増加」に直結します。

また、大型物件の増加と、円安の影響から、様々な建設資材の価格も上昇しています。

場合によっては、思うように建設資材の調達ができないような品薄状態も散見されます。

完成工事原価内の「原材料費」も高止まる一方です。

 

このような状況下では、「受注は確保できている(つまり、完成工事高、売上高は増加する)」けれど、「儲からない(つまり、完成工事原価が上昇して、売上総利益率が低下する)」ことが往々に発生してしまいます。

 

「工事はあるけれど、利益が薄い」現状を前にすると、実行予算の立てる段階からより多くの見積もりを取って、工事原価を抑制しなければなりません。

加えて、策定した実行予算を着実に履行していくことが必要不可欠です。

 

確かに、現場の事情を考えると、必要以上にシビアに原価を切ることがベストであるとは必ずしも言えないのかもしれません。

しかしながら、工期を遵守することを優先して、労務費、外注費や原材料費が実行予算を大幅に超過して、結果的には「赤字の物件になってしまいました」では、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

 

より大型の物件を元請けとして受注するためには、取引金融機関から工事代金を事実上の担保とする「ヒモ付き融資」が必要不可欠ですが、取引金融機関の目線から見て、「実行予算管理がしっかりできていない建設業者」という烙印を押されてしまうと、「ヒモ付き融資」が受けられなくなり、折角の受注機会を逸してしまうことにもなりかねません。

 

少なからぬ建設業者が、実行予算管理が徹底できていないのが現実です。

逆に言えば、「この建設業者はしっかりと実行予算管理ができている」という好感を取引金融機関に持ってもらうことで、「ヒモ付き融資」をスムーズに受けることが出来、実行予算管理を厳格に行うことこそが、適正な工事粗利益を確保できることにも繋がります。

「実行予算管理の徹底」こそが、資金調達を容易にして、かつ会社を黒字体質にする唯一の王道です。

中小建設業の経営者の皆さん、受注状況表、資金繰り表、支払管理表をしっかり作成して、取引金融機関に「これでもかこれでもか」と提出していくことで、「ヒモ付き融資」をしっかりと受けられるようにしようではありませんか。

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2013年

6月

13日

【中小企業の銀行対策】 メインバンクの定義とは?

株式を上場したり、社債を公募するなどして一般投資家から資金を広く集める中小企業は、全体の中ではごくごく一握りに過ぎません。

大半の中小企業は、設備資金然り、増加運転資金然り、立替の短期運転資金然り、所要資金の調達先は、銀行等の金融機関に依存せざるを得ないのが現実です。
資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業にとって、最も大切な存在が「メインバンク」です。

間接金融が幅を効かせている我が国の中小企業では、金融機関から所要資金を調達する「間接金融」が未だ一般的です。

そんな大切な存在である「メインバンク」の定義とはどのようなものでしょうか?

 

「メインバンク」の条件として、咄嗟に思い浮かぶのが、「最も借入残高が多い金融機関」です。

確かに、債務者中小企業とメインバンクの信頼関係があるからこそ、最も融資を受けて来たというのはごくごく自然な流れで、「最も借入残高が多い金融機関」がメインバンクの定義の一つであることは間違いなさそうです。

他方で、見落としがちなメインバンクの条件が、「主たる決済場所」であることです。

お客様からの売掛金の入金が最も多い一方で、仕入先、外注先等への総合振込や従業員の給与振込を行って、手形や小切手の決済場所としていることも、大切な「メインバンク」の定義の一つです。

逆に借入残高が最も多いのにもかかわらず、手形・小切手の決済場所が別の金融機関というねじれが生じてしまうと、融資をしている金融機関担当者の目には資金の流れが把握しにくく、融資案件に取組にくくなってしまいかねません。


中小企業経営者は、融資残高が最も多い金融機関で、お客様からの入金と、総合振込、給与振込、手形・小切手の決済を集中させることによって、メインバンクとの信頼関係を深めることができることを心得ておく必要があるのです。

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